現代の歴史家たちは、キリストが「十字架」にかけられたことを、史実として受け取ってはいない。単なる火刑であったと見るのが妥当であり、十字架というのは神話の産物であると見なされている。
初期のキリスト教徒たちにとって、キリスト教儀のコスミックな重要性こそがカルヴァリ(ゴルゴタの丘のこと)での歴史的事件に意味を与えたのであって、それは十字架のの象徴を通して表されたのである。キリストは、世界の中心で「宇宙樹」にかけられて犠牲とされたのである。」
■ M.Eliade, Putterns in Comparative Religion ,London&New York,1958
(Wikipedia エリアーデ)エリアーデの頁へ
■ E.O.James, The tree of life:An Archaeological Study,Leiden, 1966
(Wikipedia.en)
■ E.A.S.Butterworth ,The Tree at the Navel of the World ,Berlin,1970
(Open Library)
■ F.D.K. Bosch ,The Golden Germ: An Introduction to Indian Symbolism ,The Hague,1960 ボッシェの絵はマンフルート・ルルカーの頁へ
■ L.Yarden ,The Tree of Light,a Study of the Menorah,London,1971
(Wikipedia.en)
■ Shakti M.Gupta,Plant of Myths and Traditions in India,Leiden,1971
(vedicbooks.net)
■ Ionel Jianou,Brancusi,paris,1953
(Open Library)
■ Anthony Huxley,Plant and Planet t,Penguin Books ,1974
■P.Tompkins & C.Bird,The Secret Life of Plants、Avon,1973
(Wikipedia.en)
さて、いよいよ次からロジャー・クック 「生命の樹 -中心のシンボリズム」(1982 平凡社)目次読書を始めます (2011-03-01)
「宇宙樹や生命の樹のイメージは、宗教学者ミルチア・エイアーデの「中心のシンボリズム」を作り上げる、神話・儀礼・イメージ・象徴の統一体の中に含みこまれる。」(p16)
根底的なアウトライン
人類の「神話的行為」のどの側面も、この世界の本質的リアリティを把握したいという強い願望を反映していると指摘した。
このことは人々が物事の起源に異常に執着し、繰り返し語ろうとすることで明らかではなかろうか。
あらゆる神話は究極において、そこに収斂するのである。
中心は、 「絶対的な始まり」の点であった。
世界の臍・神の卵・隠された種子・根源の根源
垂直軸・宇宙軸・世界軸(マクシム・ムンディ)
全宇宙の中心に位置し、三つの宇宙領域(天・地・地下)の中枢をつらぬいている
紀元前3000年から4000年にさかのぼる観念
柱と棒(ポール)、樹木、山という三種類のイメージを媒介とすることが多い
聖なる建築物の特色を備えている
ピラミッド=ジッグラト、仏塔は宇宙山や太古の塚(マウンド)をモデルとしている
「始原の時」の原初的大洋の無限の深みから隆起したもの(古代の宇宙創成論)
古代の宇宙山の模型図(P17)
頂上は円形、底辺は方形
頂上に向かう各側面には梯子や階段がある
頂上には四つの方位の交わる中心があり、そこには宇宙樹が生えている。 (7つの円盤状の図形によってあらわされる
・7(or9)の惑星宇宙をも意味する)
世界軸が宇宙山の底辺の方を貫く点を中心にして、平らに螺旋が広がっている
この螺旋は中心に至る長くて困難なイニシエーションの道程をあらわす
このらせんは迷宮を象徴 聖地の壁は聖と俗の境界でもある (巡行儀礼=境壁の防御力を呪術的に強める儀礼)
守護神が怪物やガーゴイルの姿をとって悪霊を撃退し、イニシエーションを受けていない人々を驚かすのもこの境界上
「聖なるものの二律背反」につながる
われわれの周りにある身近なものが見慣れぬものとしてあらわれる
尊敬と畏怖
宗教的経験の中の超=理性的要素を特徴づけるもの
模型図の底辺の螺旋の中心から二匹の蛇が互いに絡み合いつつ昇っていく
→二匹の蛇のページへ
宇宙樹の中を流れる生命の樹液図版は 65であったが、その他に、下記、資料図版ということでさらに100挙げられていた。
中心の樹
中心からの再生
魂の樹
樹と蛇
上昇の樹
光の樹
樹と十字架
歴史の樹
現代の樹のイメージ
ロジャー・クック
「生命の樹 -中心のシンボリズム」(1982 平凡社)目次読書は一応ここまでだが、
もう一度この本に戻り、図版を再チェック中///
以下追加の文献5冊(2018-03-19)
【世界樹木神話】 J. ブロス著 藤井 史朗 , 善本 孝 , 藤田 尊潮 (訳) 八坂書房(2000)
【シンボルとしての樹木―ボッスを例として】 マンフレート ルルカー著 林 捷 (訳) 中央書籍(叢書・ウニベルシタス)(1994)
【宇宙樹・神話・歴史記述―モスクワータルトゥ・グループ文化記号論集】 V.N.トポローフ , V.V.イワーノフ (著) (1983年) (岩波現代選書〈78〉)
【聖書と神話の象徴図鑑】 岡田温司著( 2011)
【木の戦い】 Taliesin , ロバート・ランケ・グレーヴス (訳著) エクリ刊(2013)
Moses taking off his shoes in front of the burning bush (illustration from a 16th century edition of the Speculum Humanae Salvationis).
https://en.wikipedia.org/wiki/Mircea_Eliade
別テーマでの関連2011ne/ikyoto.html
キリスト教と生命の樹については、さらに続きます
(各項目にリンクを付け足していく予定)
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