
聖樹聖獣文様
生命の木 聖樹
桐の文学
キリと言ってまず思うのは、オー・ヘンリー『最後の一葉』 (The Last Leaf)ですが、
「中国の愛の花ことば
」(中村公一)によれば、
中国で(も?)、梧桐には古くから
1に秋の到来、秋意(秋の気配)
2に予知能力
象徴的な意味が与えられてきたという。
梧桐の最も人目につく特徴は、
「
梧桐の一葉落ちて、天下ことごとく秋を知る」
(秋がやってきたかと思う間もなく葉が散り落ちてしまう)
:季節感⇒秋の感傷・悲哀(文学的な意味へ
※元曲「唐明皇、終夜梧桐の雨」(玄宗と楊貴妃)
紙の代わりに使われた梧桐の葉
ロマンチックな物語…
史記の話
桐の葉に書かれた詩
唐代の詩人顧况(こきょう)(727頃-820)と宮女の話
五代・蜀の侯継図(こうけいと)と妻の話
以下 漢詩から
偶成 朱熹1130-1200
(ぐうせい しゅき)
少年老い易く學成り難し
しょうねんおいやすく がくなりがたし
一寸の光陰輕んず可からず
いっすんのこういん かろんずべからず
未だ覺めず池塘春草の夢
いまださめず ちとうしゅんそうのゆめ
階前の梧葉已に秋聲
かいぜんのごよう すでにしゅうせい
重過何氏杜甫(712~770)
(かさねてかしによぎる)
落日平台上
らくじつへいだいのうえ
春風啜茗時
しゅんぷうめいをすするとき
石欄斜点筆
せきらんななめにふでをてんじ
桐葉坐題詩
とうようざしてしをだいす
翡翠鳴衣桁
ひすいいこうになき
蜻蜓立釣糸
せいていちょうしにたつ
自今幽興熟
いまよりゆうこうじゅくす
来往亦無期
らいおうもきなからん
※落日=夕日
茗=お茶
斜点筆=寄りかかりながら詩を作る
桐の葉に詩を書く
翡翠=かわせみ
蜻蜓=とんぼ
幽興=えんかい
もう一度お邪魔したい
長恨歌
芙蓉如面柳如眉 對此如何不涙垂
芙蓉の花は彼女の顔のよう、柳は彼女の眉のようで、これを見てどうして涙を流さずにおられようか。
春風桃李花開夜 秋雨梧桐葉落時
春風に桃李の花が夜開き、秋雨に桐の葉が落ちる。
西宮南苑多秋草 宮葉滿階紅不掃
西の宮殿の南の庭には秋草が繁り、落ちた葉がきざはしを赤く埋め尽くしても掃き清めるものもない。
長恨歌の影響
『源氏物語』桐壺の巻 … 桐壺帝と桐壺更衣の悲恋
秋登宣城謝眺北楼 李白
江城 画里の如し
山晩れて 晴空を望む
両水 明鏡を挟み
双橋 彩紅を落す
人烟 橘柚寒く
秋色 梧桐老る
誰か念わん 北楼の上
風に臨んで 謝公を懐わんとは
宣城=中国安微省の都市
謝眺=六朝の南斉の詩人
以下WEB検索
菅原道真の漢詩
秋 思の 詩
菅原 道真
845 ~ 903
丞相度年幾樂思
今宵觸物自然悲
聲寒絡緯風吹處
葉落梧桐雨打時
君富春秋臣漸老
恩無涯岸報猶遅
不知此意何安慰
飲酒聽琴又詠詩
島崎 藤村
1872-1943.8.22
(『夏草』明治三十一年(1898年)
…
星はあしたに冷やかに
露はゆふべにいと白し
風に随ふ桐の葉の
…
筑波大学宣揚歌「桐の葉」 大和資雄作詞
1.桐の葉は 木に朽ちんより 秋来なば 先駆け散らん
名のみなる 廃墟を捨てて 醒めて立て 男の子ぞ我等
以上・・20120311
文学中心に見たが、
鳳凰との関係を強調しておきます。
生命の木 聖樹

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