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薬師寺の葡萄唐草

西ノ京の薬師寺Yakushi-ji は世界遺産というだけでなく、「現役の」感の強いお寺・・。そして魅力的な葡萄唐草・・
(ただし、土門拳は忍冬唐草文と呼んでいる)

Triad of Yakushi Nyorai
Photo By 小川晴暘(1894-1960) 仏像写真家 飛鳥園創業者
薬師三尊像(薬師寺)再建前の旧・金堂に安置されていた時のもの

「シルクロードがつまった柄。一番上がギリシャ、2番目がペルシャ、3番目の広い部分がインド、その他中国など、シルクロードにそった絵柄が入っている」(Wikipedia

グプタ朝《Gupta》;西暦320年から550年頃まで、4世紀に最盛期を迎え、インド北部を統一:クシャーナ朝滅亡後,ガンジス川中流域のマガダ地方から興り、北インドを支配した王朝。320年、チャンドラグプタ1世がパータリプトラを都として建国。4世紀末ごろから最盛期を迎え、文学・哲学・宗教・美術(アジャンターの石窟寺院の壁画など)が栄え、インド古典文化の黄金時代となった。5世紀末以降エフタルの侵入に苦しみ、6世紀の中ごろ滅亡した。

「 8世紀初めに作られ、インドのグプタ期の様式とされる」
(朝日新聞社『植物の世界37 ブドウ』1995)解説:安達輝一 写真:入江泰吉

中尊の掌には輪宝を線刻し、足裏には輪宝のほか、指に卍花を刻むなど、吉祥文が表されている。これらは仏の三十二相に基づく表現である。中尊像の台座は宣字座の上に裳を広げた裳懸座である。この宣字座にはギリシャ、ペルシャ、インド、中国などに淵源をもつ葡萄(ぶどう)唐草文、異国風の人物像、四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)などの意匠があしらわれており、奈良がシルクロードの終着地点と言われる所以となっている。(薬師寺薬師三尊像 wikipedia 閲覧20160202

me「シルクロードと葡萄唐草」で 薬師寺 薬師如来の台座の葡萄を、みました。薬師寺のサイトでの紹介:薬師三尊像 【国宝】など、更に見てみます。

薬師如来台座 についての説明

【国宝】 白鳳時代
薬師如来が座っておられる台座には、奈良時代における世界の文様が集約されています。一番上の框[かまち]にはギリシャの葡萄唐草文様、その下にはペルシャの蓮華文様が見られます。
各面の中央には、インドから伝わった力神(蕃人[ばんじん])の裸像が浮彫りされています。さらに、下框には、中国の四方四神(東に青龍[せいりゅう]、南に朱雀[しゅじゃく]※、西に白虎[びゃっこ]、北に玄武[げんぶ])の彫刻がなされています。正にシルクロードが奈良まで続いていたのです。

※「すざく」
奈良旅館観光ガイド 「金堂に安置された実物の台座は、四方向の内の北側(玄武側)しか見ることができません。 東僧坊に展示されている台座模型なら、東西南北全ての方角から薬師如来台座を鑑賞することができる。」


イミテーション台座 photo byM 20160202

大型の宣字座で一番上にある框の淵に葡萄唐草文 (ササン朝ペルシアインドなど西方の国から伝えられた文様)
次の段に、二種類の異国的な宝石文様
腰板の4面には釣鐘のような輪郭の窓があり、その中に牙をむいてうずくまる、縮れ毛の小鬼が二匹ずつ
腰板の正面と背面には二つ筒窓ある窓の中間に、珍しい形をした柱を頭で支える鬼がいる、 その足は指がなく、アザラシの手か魚のひれのようにあらわされている。湯奥わからないが、 仏の力で降伏させられた、インドの異教の神、つまり薬叉神を表したものと思われる。
腰板のすぐ下の框の四面には、紀元前の中国にできた四方を納める四神があらわされている。
他に類のない珍しい門ので、造形的にも、デザインとしても大変見事な出来栄え

(by 西川杏太郎)wikipedia美術史家 (1929 - )



以下、写真小川光三撮影 図と解説は西村公朝
(毎日新聞社「魅惑の仏像 薬師寺」p39−41 めだかの本2001)

この裳懸座を須弥山という考え方で見てほしい。 須弥山の中腹には、夜叉神や四天王がいて、、山頂上空の仏界を守っている・
その四天王が薬師寺では四神となっている
台座花壇の框には華文、最上段の框には葡萄唐草文で装飾されている。
この葡萄こそ薬果となっている


両手指には縵網相
両掌には千輻輪の瑞祥文
両足裏には千輻輪を中心とする瑞祥七相文
本来、どの如来像にも表現されるものだが、わが国では本増にのみこの表現がみられる貴重な存在

お土産の聖観音のファイルと、仏足跡のパンフレット


この図の2番は
西村公朝さんによれば、 「万字花文


あと、 光背の唐草文については言及されていないが、

右の聖観音の光背は、本尊の薬師三尊より非常にギリシア的
この比較について、土門拳が「古寺巡礼」で書いている→こちらへ

meおまけ:日本料理における飾り切りの名前・・・
唐草大根
唐草大根とは大根の葉っぱに切り込みを入れて、唐草文様のように見せる飾り切り

 このあたりの仏教美術で
ガンダーラ仏(世界美術全集4の5章)ギリシアから
薬師寺の葡萄唐草
薬師寺の忍冬唐草文ニッポンへ
仏像の光背ペルシアから


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