立川武蔵(著)/大村次郷 (写真) | 「神々や仏の聖性を高める獣たち。」 |
立川武蔵さんの『聖なる幻獣』を読む 第2章
目次(+抜き書き+画像検索)読書
海から天を見挙げている聖獣といえる
一般に口はワニのそれより短く、胴はクジラに似て、尾の形は魚のそれに似ている。
キールティムカが口からさまさまなものを噴き出していたように、マカラもその大きな口から花綱、神々、蛇、動物などを生み出す。
創造する力がある
ヴァジュラは元来は『リグ・ヴェーダ』の英雄神インドラの武器である稲妻を指していた。 仏教では、煩悩を打ち破り、仏の道を求める心の象徴とされる。
首都ヴィエンチャンにあるテーラヴァーダ仏教(上座仏教)(Theravada)の寺院の入口にしばしば蛇あるいは竜に似た動物がみれらますが、これは蛇ではなくマカラ。
マカラが蛇あるいは竜を生み出している。
WEB検索 Wat Ong Teu
「鶏頭ナーガ」?https://www.mekong.ne.jp/ippanreport/nobuo-okazaki/lao.html (イメージの喚起力がありますが、ちょっと違うかも)
WEB検索
ルンチュン・ルン・ブン・アジマ寺院・・?
ネパールの見所:カトマンズ市内
https://www.saiyu.co.jp/special/nepal/midokoro/kathmandu/index.html
WEB検索
ネパール大使館:ネパールの宗教建築
パゴダ (pagoda) 様式は基本的に木造建築
https://www.nepalembassyjapan.org/japanese/interest/architecture.html
マカラの起源ははっきりしない
しかし、キールティムカのイメージの源泉がギリシャにあったように、
マカラのイメージの源泉も古代オリエントの天文学にあるようだ
古代オリエントの考え方・・天動説の黄道(太陽の動き)・幅を持った帯状のものとしてイメージされた
その地球を取り囲む帯が動いていく。
春分の日を起点に十二等分
帯=(獣帯)、十二等分された空域=(十二宮)
インドに伝わり、十二宮の一つがマカラ宮(魔羯 まかつ 宮)と呼ばれる
ヨーロッパの占星術では山羊座 (キャプリコーン)・・上半身が山羊、下半身が魚・・
牧人と家畜の神パーンが、怪物テュホンに襲われてナイル河に飛び込んで逃げようとした際、化けそこなった姿と伝えられる
海山羊のイメージは既にバビロニアにあった。
インドのマカラは、この神話的動物のイメージに影響を受けたと思われる。
ここで山羊なんですが・・(海山羊)!? ・・
インド、ネパールにおいて、マカラが常にワニに似た姿であらわされるわけではない。
(P85)古代オリエントにおいて星座にまつわる動物体のイメージが作られた時代、
山羊座の海山羊には後世のインドに見られるようなマカラのイメージはなかった。
一方インド人たちが冬至のころの十二宮の星座を「マカラ」としたときには、
すでにインドには海山羊とは異なる海獣マカラのイメージがあった。
いつどこでそのイメージを得たのだろうか。
パキスタンのタキシラ出土の金属装飾品、
インド南東部のアマラーヴァティー(紀元前2~紀元3世紀)遺跡の彫刻に、マカラが既にみられる
ギリシャ神話が関係した可能性がある。
この辺りは後ほど、平凡社『イメージの博物誌』シリーズ1冊目の「占星術」などを参照してみます→獣帯(zodiac)
インド人はマカラと聞いて、まずガンジス河を思い浮かべる。
サンスクリットでは「ガンガー」、神格化されたガンジス河の女神のこととでもある
この女神はマカラを乗り物としていると考えられている
マカラにのった女神ガンガーの映像はインドやネパールでよく見かけられるが、 いつごろから女神ガンガーの乗り物としてしられるようになったのかははっきりしない。 紀元前12世紀~紀元前9世紀ごろに編纂されたお題インドの聖典『リグ・ヴェーダ』の中では女神ガンガーはほとんど活躍しない、マカラを乗り物としているとも述べられていない
しかし、マカラの「胴体」に見られる渦巻き文様はこの聖獣の本質を見せている 渦巻はものが生まれる源の象徴
マカラの体の渦巻き模様は、通常、唐草模様で表現されていますが、このような渦巻きはインド、ネパールを超えて、東南アジアや東アジアに広く見られます。
ガンガー(ガンジス河)とヤムナー河はインド平原を南下する代表的な河川であり、これらの河はそれぞれ神格化されている。 ヤムナー女神は亀に乗る。
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アジャンタ第5窟https://wadaphoto.jp/kikou/aja3.htm
「火伏せ」
の役目を科せられていたから