Photo byM 20190614
仏蘭西のブルゴーニュ地方のオ―タンにある
サン・ラザール大聖堂(1120年)とロラン美術館の
イブの彫像は、私が初めて見たのはたしか、「岩波美術館」であったか・・。
いや、下の
『ロマネスク美術』 (美術出版社 1963)の表紙であったようだ。
(ルイ・ブレイエ著 辻佐保子訳)
驚きました。
2019年6月に実物を見に行きましたが、下から見るせいなのか、
顔の表情はルイ・ブレイエの写真のようには見えなかったのでしょうか・・
また、このオータンの案内板ともイメージがちがうような。
イブは女の魅力を振りまいて誘惑していなかった・・・!?
金沢百枝先生は、「囁いている」といっていますが
口に手を当てているようにも見えますが、ルイ・ブレイエの写真では、ほほに手を当てている…
嫣然といった感じである・・・
新潮社トンボの本blog kanazawa/2012/02/20.html
モモ先生が「改めて読み直してみると、蛇がエバに「善悪を知る木」の実を食べるようすすめてなどいないことに驚きます。」と
『フランスの歴史を知るための50章』(明石書店)のうち第6章「フランスのロマネスク美術 大いなる実験の時代」を書かせていただきました。
— @momokanazawa (@momokanazawa) May 28, 2020
オータンのエヴァも(買ってね)と囁いています。 pic.twitter.com/Q0JdZDyfZe
イブについてというか、蛇の方であるが、百科事典では、以下のように説明されている。(再掲)
谷口 幸男
(平凡社世界大百科事典)
[世界中の民族の間で蛇崇拝やシンボルとしての蛇の存在の知られていないところはないくらいである。旧約聖書の《列王紀》下 18 章 4 節にはイスラエル人が蛇に香をたいてあがめたことがしるされている。
同じ旧約の楽園の蛇は悪,とくに誘惑の原理をあらわし,これは後世しばしば女の首をもつ姿で絵に描かれる。
蛇はイブと関係して全人類に罪をもたらしたとか,蛇とユダヤ人の老婆との間からアンチキリストが生まれたとされた。」
France Paris Notre-Dame-Adam and Eve
Workshop of Giovanni della Robbia (1469–1529)
1515年
ウォルターズ美術館 蔵
蛇はイヴに似た女性の顔をしています・・・
ここで更にアダムとイブの伝統ある絵画を出すべきだが、このオータンのエヴァほどの魅力のある画像を知らない・・
wikipediaには、
デューラーのアダムとイブ
1507年 プラド美術館 蔵
デューラーの弟子とされるHans Baldungのアダムとイブもあり。
こちらは恐ろしい。
1524年
ブダペスト国立西洋美術館 蔵
「聖書に題材を取る宗教美術においては, イブの陰部をおおうのにブドウの この葉を描くのがふつうで, アダムのイチジクの葉と対をなす。」
budou2.html
「獣皮を身にまとうことの意味:
贖罪・供犠を表す。神はアダムとイブに獣皮を与え、(象徴的な意味の)イチジクの葉と取り替えさせた。」
lion_kawa.html
Reliefs of Adam and Eve
(このレリーフは
2011年に保存したものですが、不注意でどこのものか不明)
ここで、大聖堂近くのロラン美術館にある「イヴの誘惑」(サン・ラザール大聖堂の北扉口タンパン下にあったもの)
の植物文様であるが、
イブは左手で「リンゴ」(禁断の木の実)を取っている。リンゴには見えないのだが。陰部を隠す植物は、葉とその葉身のような茎の先に実が一つづつついている。その意匠は、マツボックリがついているようにも見える。ユニークな植物。
レリーフの各部分に縁飾り的な模様が見られる・・・
ゲルト・ハインツ=モーア (西洋シンボル事典 )
いちじくの木 Feigenbaum 人類初めの女イブのリンゴ ・・ リンゴとイブについては、・・・
God planted a garden eastward, in Eden, and there
he put the man whom he had formed.
Out of the ground God made every tree to grow
that is pleasant to the sight,
and good for food;
the tree of life also in the middle of the garden, and
the tree of the knowledge of good and evil.
園の中央には命の木があり、
善悪を知る木もあった。
ここで使用されたイブの像は、クラナッハ風ですね。数多いクラナッハのイブが、安定のイメージであったか‥‥
Lucas Cranach I, 1472-1553
サン・ラザール大聖堂については、仏蘭西の建築美・彫刻美を見たこちらへ
2014k/francais.html
また、オータンで
「イヴの誘惑」を見る旅記録はこちらへ。
2019k/june_autan.html
追記です(20250927)
https://www.wikiwand.com/en/articles/Gislebertusにある画像が
また魅力的でした。
蛇と女の部、
次は花にかかわる要注意美女から、アダムの最初の妻、リリトへ
・・・
→聖獣聖獣文様(INDEX)
First update 2025/09/26