アーチについて確認します。
プラスチックワードというか、意味不明なまま使っているというか。深い意味を知らずに使っている言葉・・
参照はwikipediaのほか、 『世界の建物事典』『14歳からのケンチク学』
アーチ構造図(wikipedia)

この図の「輪石」というのは、
迫石(wikipedia)
Voussoirヴォーソワールくさび形の建築用ブロック)
(回転するという意味だそう)(en.wikipedia)
円柱とアーチ
初期の建築では、ドアや窓といった開口部のための空間を、まっす
な梁か厚板を上部に渡して作った。この梁や厚板のことを
(リンテル)とよぶ。
しかし、開口部を広く取ろうとすれば、それ
だけ分厚いまぐさが必要となる。大きくて重い石を持ち上げるの
はたいへんなので、これを解決するために円柱で支えられたアーチ
が考え出された。この方法だと小さな石やレンガを使いながら、広い
開口部を確保できる。アーチを作ってゆき、頂部に要石をはめ込むまで、
石材は迫枠という木の骨組みで支えられる。古代エジプトやギリシャでもア
ーチは使われたが、大規模なアーチ構造を最初に建てたのはローマ人である。
ローマのアーチは半円アーチであったが、中世のゴシック建築で尖頭アーチ
が発明されるまではこれが主流であった。今日では鉄やコンクリートなどで
頑丈なまぐさを作れるので、かつてほどにはアーチは使われなくなっている。
by『世界の建物事典 』(「知」のビジュアル百科。
フィリップ ウィルキンソン (著), 鈴木 博之 (監修)あすなろ書房 2005)
グローバル化する世界の中で感覚的な素振りだけで生きる人間となることに意味はない
p145 坂牛卓「建築と言葉は切っても切れない」
・・www・・
以下
『14歳からのケンチク学』(五十嵐太郎編 彰国社2015)から
皆さんは化学がとても新しい学問であることをご存じでしょうか?
最初のプラスチックであるセルロイドが合成されたのが1869年です。
建築の世界でも、化学の劇的な進歩が起こるまでは、ゆったりと時間が流れていました。。
p184-185 今井公太郎「私たちはマテリアル・ワールドに生きている」
※マテリアル・ワールド 建築資材?・・でなくて、www
直訳すると「物質世界」=「物質に満ちた無機質な世界観」or「物質に満ちた豊かな世界」
建物には、その重さを支え、地震や台風に備える強さが必要です。そのために、動物の骨格のような部分があります。垂直に立てる「柱」や水平にかけ渡す「梁」などで。「構造(体)」と呼ぶ。
構造設計では、「理科」「物理」の主に「力学」の分野を扱います・・
p254 佐藤淳「安全と豊かな空間を生み出す構造」
wikipedia(閲覧20251031)によれば。建築学を
日本建築学会では、論文集を構造系、計画系、環境系に分けて発行し、
建築構造、材料工学、建築構法、建築生産等を構造系、
建築計画、建築デザイン、建築史等を計画系、
環境工学、建築設備等を環境系としている...
紀元前1世紀のウィトルウィウスの[用・強・美」を具現する?アーチ!!・・
Colosseo
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西暦80年に、ウェスパシアヌス帝とティトゥス帝によって造られた
円形闘技場
建造技術の宝庫、ローマ時代のアーチhttps://note.com/tus_ito_labo/n/nfdfa1aa37a07
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 尖塔ドーム
296年にアルノルフォ・ディ・カンビオの設計によりゴシック様式で着工され、1436年にフィリッポ・ブルネレスキ設計のドーム屋根で完成
二重構造のドームで互いを押し合う設計
アーチは2次元内に収まるものであるが、これを3次元に展開したものがヴォールトとドームである
(wikipedia)
1911年 ブリタニカ百科事典
クフ王のピラミッドのシェブロンと呼ばれる特徴的な石組み構造
https://www.imass.nagoya-u.ac.jp/
Discharging arch排出アーチ
まぐさやアーキトレーブの上に架けられ、上部の重量を軽減するアーチのことです。最も古い例は、大ピラミッドの墓への通路のまぐさの上に見られます。これは2つの石のみで構成され、互いに寄りかかっていました。ミケーネのライオン門やアガメムノンの墓、そしてギリシャの他の例でも同じ目的が達成されました。( en.wikipedia)
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Path upto the Lion Gate, Mycenae
紀元前2千年紀
アトレウスの宝庫(Treasury of Atreus)またはアガメムノンの墓(Tomb of Agamemnon)
紀元前1250年ごろに建設され、入り口の上にあるまぐさ石は120トンの重量がある
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クロ・リュセ城のレオナルド・ダ・ヴィンチの部屋の
暖炉の上にある排出アーチ
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Example of relieving arch at Greenknowe Tower
16th-centuryのスコットランド 、
グリーンノウタワーのアーチの例
このあたりの図像、実に興味深かったです・・

『図説人類の歴史
古代の科学と技術
―世界を創った70の大発明―』
ブライアン・M・フェイガン編Brian M. Fagan
西秋良宏訳
朝倉書店 (2012/6/1)
このページではアーチついてのケンチク学を小しおさらいしました。
力学はよく分からなくても面白い。なお、
下の話の語源は文献確認できていないので、少し置いておきます。(20251031)
アーチ構造は、土木、建築分野では頻繁に使われる、構造学の基本中の基本です。
重いものを支える「アーチ構造」は、今から5000年前、メソポタミアのシュメール人が発明し、現在の建築の基礎となりました。
「建築学」の英訳「Architecture」は、実はこのArchから来ています。勉強を遊ぼう!