
花の図像学:花唐草
チューリップ
学名:Tulipa
チューリップ
学名:Tulipa
属名トゥリパは、
トルコ語あるいはペルシア語のターバンを表す言葉に由来。
花の形が頭巾に似ていることから。
(英名):tulip
属名の英語化したもの。
和名:ちゅーりっぷ(鬱金香)
鬱金香本来は ウコンあるいはサフランをさす言葉、
中国語名との混乱が起こったものか。
ぼたんゆり
ボタンのような花をつけるユリに似た花の意か。
中国名:郁金香 (由来不詳)
郁は美しいの意。
原産地 不詳(中央アジアか)※
※Wikipedia(2011-04-25現在)には「原産地はトルコのアナトリア地方とされ、トルコ国内の宮殿(トプカプ宮殿等)やモスク(ブルーモスク等)に貼られたタイルに描かれている。」とある
植物図譜の至宝『フローラの神殿』:‘TEMPLE of FLORA’
R・J・ソーントン画 Robert John Thornton (1768-1837)
Carl von Linne(1707-1778)植物分類学解説図集
植物の分類法に画期的なシステムを導入したのは、
スウェーデンの博物学者
リンネであった。
植物の生殖器官―花に着目し、その形態を基準に、
雄しべと雌しべの形と数で分類してゆくその方法は
「セクシャル・システム」と呼ばれ、
18世紀の後半にはヨーロッパ中に広く知れわたった。
イギリスでその思想に共鳴したソーントンは、リンネ分類学を図解した
大著の出版を計画し、そこで生まれたのが史上最美といわれる植物図鑑
植物としてのチューリップ

Tulip agenensis.
By Zachi Evenor and MathKnight, via Wikimedia Commons
荒俣宏「花の王国」第1巻 p70-71 に載る6種 )
Tulipa SD
清楚な原種のひとつ。
最も小さい原種のひとつ。(図2つ)
Tulipa gesneriana ガーデンチューリップ
ふるくはモンスターと呼ばれている、'
フレイミング・パロット'に近い種
’ダーウィン’系に属する花なら、白色が入るものはウイルス病※の疑いがある。(図3つ)
トルコから来た園芸種
チューリップ’ケイス・ネリネ’に似る
Tulipa oculusolisトゥリパ・オクルスソリス
東南アジア原産といわれ、きわめて美しいチューリップの一種(図1つ)

Tulip with variegated colors in Dupont Circle in Washington DC.
By Ben Schumin , via Wikimedia Commons
斑入りのチューリップ(Wikimediaより)
荒俣宏「花の王国」より
1543年にトルコ駐在オーストリア大使が、
ウィーンに持ち帰ったのが
記録上の最も古いチューリップである。
1561年に博物学者C・ゲスナーは、
(※コンラート・ゲスナー Conrad Gesner)
球根をドイツのアウグスブルクへ移植し、
著書に初記載した。
このため原種に
はゲスナリアという種小名が残っている。
(※ゲスネリアナ種 Tulipa gesneriana )
その後オランダに移植されると、またたくまに流行し、
変種作りが盛んになった。
ウイルス病にかかったものが珍奇種として賞賛されたり、※
一個の球根がビール工場と交換されたりした。
 |
特に1630年代の熱狂が「チューリップ狂時代」として名高く、
デュマが「黒いチューリップ」でそのありさまを描いている。 |
流行はトルコに逆輸入され、
18世紀前半のトルコ文化の爛熟期がチューリップ時代と
呼ばれるほどに象徴化された。
花言葉は色によって異なり、
赤は 愛の告白、
雑色は 美しい目。

※mosaic virus:モザイク病ウイルス
Wikipedia
レンブラント系 (Rembrandt)
ダーウィン系に羽状の斑が入ったもの。
レンブラントを代表する画家たちが描いた、
ブロークンチューリップにちなむ。
似たものにビザール、バイブルームがある。
※
病気ではないもの
レンブラントチューリップ
画家レンブラントRembrandt van Rijn(1606~1669)
は、
赤白ツートンカラーのミックスをしばしば
モチーフにしました。これは「
レンブラントチューリップ」と呼ばれる。
ブロークンチューリップ(Wikipediaより)
ウイルス病に罹ったチューリップのことで、現在では品種として認められていない。チューリップ・バブルの原因になったチューリップである。白地に赤のラインが入るセンペル・アウグストゥスなどがあった。

以上、荒俣宏さんの「花の王国」をメインにチューリップの植物文化の歴史背景を見ました。ついで、チューリップ文に入りたい。ペルシアのTaq-e Bostan(7世紀前半)摩崖浮き彫りのチューリップ文様について(田辺勝美氏)は
こちらで少々。
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花唐草
