生命の木 聖樹


果実と文化

モモ 桃

学名:Amygdalus persica
科名:バラ科モモ属
英名: Peach


中国原産。

以下「世界シンボル事典」より


モモの果実がヨーロッパにもたらされたのはおそらく1世紀頃、> 実際には中国からオリエントを経て伝わったものを思われるが、長くペルシア原産と伝えられてきた。
古い学名Malum persicumは「ペルシアの林檎」の意。
古代ローマでは非常に珍重されたが、あんずと混同されることも少なくなかった。
ローマ皇帝アレクサンデル・セウェル(在位222-235)は、ペルシアとの戦いの前に庭園の月桂樹が桃の木より高く伸びたのを見て、これを勝利の予兆と考えたという。

以下はWikipedia

「英名ピーチ(Peach)は"ペルシア"が語源で、ラテン語のpersicum malumから来ている。
種小名persica(ペルシアの)も同様の理由による。」

中国のモモの木

天地創造と桃


西王母 せいおうぼ (=中国の天地宇宙の創造主
三千年に一度だけ実を結ぶ桃の伝説
桃都山(世界の東南の果てにある)に、枝と枝の間が三千里もある大樹がある
(または)
度朔山には「蟠桃(はんとう)」と呼ばれる桃の大樹(*1)が三千里にわだかまっている
道教では、 玉京山(天地の中央にそびえる)には、三百九十億里の高さの桃の木が生えている
桃の咲き乱れる中を通って桃源郷に通じる
宇宙樹としての桃// 人類普遍の神話的構造の一部

日本。中国での桃の文化については
「花を旅する」栗田勇著 (岩波新書2001年刊→季節の花を飾る、花の室礼、文化のページへ)

*1「蟠桃」は普通は「ばんとう」というルビ)

以下「世界シンボル事典」より


中国の 女神西王母の庭園(崑崙山) 千年(通説では3000年)に一度不死の桃の実=蟠桃が成る


検索
(wikipedia)春聯(しゅんれん 「度朔山に桃の大樹があり、樹上には金鶏が棲んでいた。桃の大樹の東北が鬼門」
https://www.mint-j.com/fruit/ 『西遊記』に登場する孫悟空は蟠桃園の中でも9000年に1度実る桃を食べて不老長寿になったといわれています。
Wikipediaではたくさんたべたということになっています。
もうちょっと見てみました。allaboutにありました。
「三千六百本の蟠桃の内、前列の千二百本は三千年に一度実をつけ、それを食せば仙人になり、真ん中の千二百本は六千年に一度実をつけ、それを食せば不老不死になり、一番奥の千二百本は九千年に一度実をつけ、それを食せば、未来永久に生き続けられる、とされていました。 ・・ということだそうです!?
なんだか形が全然違います!?


西洋の桃

以下「イメージ・シンボル事典」より

1.陰門、女性原理、結婚
2.豪奢贅沢
3.キリスト教
(a)イコンにおいて、沈黙の持ち物
その葉は、 沈黙の神ハルポクラテスに捧げられる
(b)救済を表す聖母マリアの表象物
4.占星術
金属に属する・・(それゆえに)火星の悪い影響に抗する
シロップにすると、黄疸やコレラに効くとされる

ハルポクラテスに桃の葉を捧げる・・
検索
Category:Harpocrates
Perge - Harpokrates
これがそうかもしれません、コルヌコピアから垂れている?
そのほかの画像検索
(en.wikipedia)Harpocrates
https://benedante.blogspot.com/
https://fragmentsoftime.com/
He is adorned with headband and a stippled floral wreath tied with a ribbon and surmounted by two large lotus buds.
ヘッドバンドで飾っている・・先端に2つの大きなハスがついて、点の模様がある花輪はリボンで結ばれている
どうも、蓮の方が強いのかどうか・・コルヌコピアからブドウの房が垂れているのも多いのようですが・・、片方に髪をたらしたのが、コルヌコピアになり、ファラオの帽子が特徴のある頭飾りになっているようだ・
Arpokratis
(wikipedia)
黙の神ハルポクラテストは、In late Greek mythology ギリシア神話も末期になって、エジプトの子どもの指しゃぶりの表現を誤解したことによるもののようです。(「古代エジプトシンボル事典」の子供の項にも「ギリシア人の勘違い」と出ていますp10)


西洋シンボル事典━キリスト教美術の記号とイメージ━
項目なし

桃を見てみたが、「日本・中国の文様字典」でも「モモ」の扱いは小さく、生命樹という記述はないようだが、「月兎文八稜鏡」という、餅つきでなくて、仙薬を搗くウサギと「聖樹」の図あリ。(p254) 霊芝を求める仙姑=「西王母」あり。
「食べると寿命を延ばすとされる桃が、西王母から漢の武帝に与えられたとされ、 桃は長寿を意味する吉祥文となった」「時代により(西王母の)イメージが異なる」


『装飾の博物誌 桃』吉田光邦より

オランダ レーワルデンLeeuwarden のプリンセスホフ美術館
明のヒサゴ形の瓶 嘉清(16世紀半ば)の銘
染付磁器・・桃、鶴、霊芝、太湖石と波文
中国では、文様はすべて吉祥の意味を示す

吉祥文の由来


中国の小説『西遊記』の孫悟空は蟠桃園の番人
桃畑の主人は西王母(女神)・・疫病と刑罰をつかさどる(不死の薬を持つ)
半人半獣の姿から美しい女性に姿を変えられていき、不死の薬も、桃に当てられるようになった
桃は五木の精である仙果。桃の枝も邪気を退ける力をもつ(古い由来)

桃のユートピア

平和のしるし
桃林放牛
陶淵明の「桃花源記」で有名に
桃は美と平和のシンボル

日本に渡った桃

古今集でも桃はテーマにされない
清少納言も『枕草子』の「木の花」に取り上げていない
中国的な仙果のイメージは根付かなかった
神社仏閣の蛙股に、中国的な意識で取り上げられている(飛天、龍、鳳凰同様) 食用としての桃は普及
文様としては広まらず、せいぜい雛祭りの飾り花
ヨーロッパで桃が知られるのは、19世紀末

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