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クメールの文様

クメールの唐草形装飾

me「世界の文様 4 インド・東南アジアの文様」の
「アンコール遺跡諸寺院の文様と建築装飾」 (石澤良昭・中島節子)に、アンコール時代に建立された寺院は、その壁面という壁面がすべて壮麗で秀美な装飾彫刻で埋め尽くされ、装飾文様の極致を見る・・とある。
そのp204であるが、クメールの文様についての話・・

*Cambodia(カンボジア)王国 クメール王朝 (802–1431)wikipedia

Angkor Thom (Sept. 2009b)
A statue at the Bayon temple in Angkor Thom, Cambodia.
13世紀


上のデヴァターの右下の拡大、脚もある獅子頭のようだ

いくつかの文様モティーフから成る
唐草、渦巻、蓮の蕾、花弁、花枝などに分類できる
さらに、小さな人物像や動物像が線状あるいは幾何学文様に割り込んで、独特な趣(にぎわい・躍動感・・)を与えている

クメール文様で最も多くみられる唐草形装飾文様:9世紀から柱の装飾に多く使われる、初期は厚肉、アンコールワット時代には薄肉、時代とともに退化

Banteay Srei Devi
Depiction of a Devi at the Banteay Srei in Angkor (Cambodia)
10世紀 バンテアイ・スレイ 「東洋のモナリザ」

me確かに上より肉が厚い

アンコール・ワットの柱には、S型懸垂鎖文様があり、中央に小人物像が配されている

唐草形装飾文様の次に多い文様はやはり9世紀後半から、山形に配置された巻葉の文様: この山型装飾文様には、三弧アーチに囲まれた小人物像が描かれたりする

Banteay Srei Kala
Depiction of a guardian spirit (Yaksa) atop a mythological creature
(named Kala or Rahu) at the Banteay Srei in Angkor (Cambodia)

丸紋(丸文):植物、四弁花などが主要モティーフ 細緻に作られる
丸紋唐草(丸文唐草):唐草と円内に人物または動物
輪違い文様:円弧が少し間隔をあけて交わり、中央に四弁花
唐草文様:蔓が円弧に近い線を描き、巻いた蔓の先端は下方より小人物像もしくは動物を抱え込んでいる

me丸紋唐草(丸文唐草)という語は初見.後ほどこの本での用語を見ます。

クメールの装飾美術の源泉とその表現形式は、伝統的かつ哲学的な理論を踏まえており、永遠に転生し続ける自然の法則に基づいている
精神的背景=輪廻の思想

単純な唐草→複雑な植物文様→蓮
植物→←動物に変化する
渦巻文様に小鳥あるいは蛇神ナーガ
ラーフ(Rahou) という月食を司さどる怪物(もしくは阿修羅)の頭部がよく使われる(とくに楣部装飾)
小人物像がほかの文様と重複凝集している構図は、西欧ルネサンス期の装飾にもあるが、クメールの構図は文様と一体になって描かれていることが特徴背ある。

Angkor-Wat-from-the-air
アンコール・ワット(一辺1.5㎞以上)

An artists representation of Angkor Thom Cambodia at musée Guimet
ギメ東洋美術館にあるアンコール・トム一望の展示だそう。菩薩の顔は196もあるという。(顔の大きさは2メートル前後)

me地名が混乱してしまうので、以下に整理すると

世界遺産アンコールに含まれる主な遺跡
wikipedia (閲覧20160403)

バンテアイ・スレイ : 967年建立、ヒンドゥー教(シヴァ)。
アンコール・ワット寺院:1113~1145頃。ヒンドゥー教(ヴィシュヌ)
アンコール・トム (Angkor Thom) : 12世紀末-13世紀初頭12世紀末。仏教(観音菩薩)・・アンコール・トムの中央にバイヨン (Bayon) がある。その周囲にも象のテラスやライ王のテラス、プレア・ピトゥなどの遺跡も残っている
タ・プローム : 1186年、ジャヤーヴァルマン7世建立、仏教(観音菩薩)。 アンコール王朝で一番古いのがロルーオス遺跡 Roluos(9世紀
:ヒンズー教寺院(→現在は上部座仏教)、
 バコン寺院 Roluos Group, Bakong 、
 プリア・コー Preah Ko(神聖な雄牛)

  *アンコールガイド(en)

Map of Angkor Thom ww
Angkor Thomアンコール・トム(4㎞の壁に囲まれる)の中央→バイヨン寺院(100m四方)
アンコールから6㎞のシェムリアップ市=シャム(タイ)がリアップ(=退散した)土地


CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=65930

meその、バイヨンの四面仏顔は頭上部に蓮花の王冠を戴いているという。(「世界の文様4 インド・東南アジアの文様」p206肥塚隆)これについては別に→クメールの頭部装飾
ここで、「世界の文様4 インド・東南アジアの文様」にある、図であるが
アンコール・ワット(12世紀)から10
アンコール・トム(13世紀)から6
ロルーオス遺跡(9世紀)から3つの文様が取り上げられていた。
そのほかには
バンテアイ・スレイ(10世紀)から2
プラサット・ネアン・タマウ(10世紀)から2
現代のレストラン 1・・で、インド・東南アジアの331図中
計23(約7%)であった


41.ロルーオス遺跡プリヤ・コー 菱花文様


81.ロルーオス遺跡バコン寺院壁面(9世紀)唐草、神将文様



331.ロルーオス遺跡プリヤ・コー側面 


298.バンテアイ・スレイ寺院祠堂破風(10世紀) 火焔唐草文



321.バンテアイ・スレイ寺院経蔵破風


142.アンコール・ワット北面東側壁面(12世紀) 四脚獣(サイ)文様



148.アンコール・ワット北面東側壁面 シンハ(ライオン)文様


166.アンコール・ワット第1回廊 ナーガ(コブラ)文様(「乳海撹拌」)


170.アンコール・ワット東面南側側面 亀文様
(大亀クールマに乗るヴィシュヌ神)



186.アンコール・ワット北面西側壁面 龍文様(ナーガ)



190. アンコール・ワット西南北側壁面 獅子文様



208.アンコール・ワット塔門 馬文様



221.アンコール・ワット北面北東側壁面 ガルダ文様


275.アンコール・ワット回廊外側偽窓格子 連珠形


296.アンコールワット北面東側壁面 火焔文様


176.アンコール・トム(13世紀) バイヨン寺院外回廊南面 魚文様


237. アンコール・トム王宮内男池側壁 遊魚・鰐文様


238. アンコール・トム王宮内男池側壁 遊魚・鰐文様


239. アンコール・トムバイヨン寺院外回廊南面 遊魚・説話文様


241. アンコール・トム王宮内男池側壁 遊魚文様


253. アンコール・トム バイヨン寺院外回廊南面 神仙文様

263.プラサット・ネアン・クマウPrasat Neang Khmau(10世紀)入口(タケウ州コーケー遺跡 アンコールからは約100km ジャングル!天空の城ラピュタ? プラサット=寺院、ニエン = 黒い 、クマウ = 貴婦人

http://yutan123.world.coocan.jp/


世界美術大全集 東洋編 15:目次読書

アンコール遺跡クメール文様の関連

*密林の唐草文../2012k/banteay.html
*植物文様../syokubutumon.html
クメールの頭部装飾khmer_atama.html
クメールの廃仏の発見:ナーガの(蛇神)の上に鎮座する仏像
*南伝仏教../2016k/hontibutu_bijyutu4.html
*知の再発見../saihakkenn.html

蓮・ロータス文様の関連

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