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正倉院の唐草

正倉院宝物関連用語解説

 正倉院の伝世品に見る唐草文様ということだが、『正倉院美術館 ザ・ベストコレクション』(米田雄介・杉本一樹編著)の巻末用語;正倉院宝物関連用語解説(80項)をみると、見慣れた語は3つくらいで、あとは、技法的なものが多いが・・

パルメット

植物文様の一つで、 忍冬文ともいう。「渦巻きの分岐点を中心に左右に扇形が広がり、伸びて連続する。唐草文のモティーフともなっている

宝相華(ほうそうげ)

空想上の花。中国・唐代の唐草文様の中でも豊穣な花の文様を言う。日本には奈良時代に入り、仏教美術の装飾文様として多く用いられた

含綬鳥(がんじゅちょう)

西方に起源を有する文様の鳥。綬帯、瓔珞、リボンなどを加えた鳥の意匠の総称。日本では、花枝をくわえた花喰鳥(はなくいどり)のデザインとともに奈良時代に流行

迦陵頻伽(かりょうびんが)

インドに発した想像上の鳥。上半身が人間、下半身が鳥の姿で、仏教の極楽浄土に住み、美声で仏の教えを説くという。

絹織物の一つ、経(よこ)糸・緯(たて)糸の交差を一定の規則に従って浮かせることで、織り地の中に文様を表したもの

絁(あしぎぬ)

平織りの絹織物。語源的に「品質の劣る」意味が含まれるが、奈良時代には、麻布と並ぶ標準的な布帛として広く用いられ、諸国からの材としても納められた。

魚々子(ななこ)

彫金の技法。金属の表面に鏨を使って細かな円文を隙間なく打ち付けて作る自模様。千沙夏部が魚の卵に似るところから命名された。

螺鈿(らでん)

かしょく法の一つ。夜光貝、アワビなど各種の貝殻を研磨し、文様に切ったものを漆地や木地に嵌め込む技法

蝋纈(ろうけち)

染色技法のひとつ。布帛に蝋を用いて防染史、染め上げるもので、文様は蝋を型押捺しするほか、手書きによる場合もある。

 この本には見当たらない言葉だが、WEB検索では良く見る語をおまけで・・・
ちなみに正倉院(宮内庁)の公式サイトは
http://shosoin.kunaicho.go.jp/ やはり一番に「螺鈿」ですね・・

「正倉院文様」という語


アマゾンにある「正倉院文様 メッセージカード」

 WEB検索
http://www.narara.co.jp/sub/1310.html月刊大和路ならら
http://www.sou-ryu.jp/shousouin_what1.html#

「正倉院裂」という語


古帛紗 正倉院 唐草鳥紋経錦
宝永堂のお茶道具(http://www.e-hoeido.jp/shop)
このほかの店でも売っているようだ

 この書『正倉院美術館 ザ・ベストコレクション』(米田雄介・杉本一樹編著)の本文に戻ると、調度のところに、
花柄のフェルト製敷物(花氈 かせん)とか、金銀山水八卦の宝飾鏡とか、紫地鳳形の錦張りの脇息、蘇芳地金銀絵箱等あり・・(正倉院のサイトに宝物検索があるが、ヒットしない^_^;)

毛氈は単色の場合から五、六色に及ぶものまであり、一枚の花氈に表されている文様の種類も様々で、唐花や唐草や描き、あるいは人物や鳥、天平雲や蓬莱山などがある。(p66)


この書でひとつだけ、「蘇芳地金銀絵箱(すおうじきんぎんえのはこ)」とあるものをよく見ることにします。 「童子奏楽図」とある。「中央に舞踏する童子、ひちりきと鼓を演奏する二人の童子が描かれ、上下方に花、葉、蔓などを組み合わせて、向かい合わせのインコを隠し絵風に描くとある・・・。絵の周囲等に宝相華文様が描かれているとある。
これについて「花鳥・山水画を読み解く-中国絵画の意味」宮崎 法子著(サントリー学芸賞2003年)に「舞踏奏楽童子」(蘇芳地金銀鼓楽絵箱:中倉)としてあるようだ。


日本画家の岩井弘氏模造 


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