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西洋の芸術

ケンタウロスの神話

仏蘭西国立ギュスターブ・モロー美術館収蔵のケンタウロスを見たのは2005年のモロー展であったかと思う。
モローの描くケンタウロスというと、 カタログには「ディアネイラ」(油彩・キャンバス127×90センチ)と そのためのエチュード習作が 12も

モローのケンタウロス

《ディアネイラ》

1827年頃


2005年モロー展のカタログp129(©東京新聞)

カタログには特にこの神話の内容についての記述はないが、 このケンタウロスは名前を持つ。
名はネッソス
女はヘラクレスの新しい最後の妻ディアネイラ
河の向こうに立つ男がかのヘラクレス(しかし、一見、ヘルメスかと思った。マッチョな英雄に見えない)ライオンを被っているらしい・・

妻と二人で旅をしていたヘラクレスは大河に来て、渡し役のネッソスに妻を任せ自分は歩いて渡ろうした。
ところが ネッソスが「ディアネイラの美しさにひかれて」襲おうとし、それに気がついたヘラクレスが、ヒドラの毒を塗った矢でネッソスを射ようとする、という場面・・・・
このあと、死ぬ前にネッソスは・・⇒http://www.din.or.jp/~t-sugi/star/4seiza2/31herc.html

モローのケンタウロス(2)

《ケンタウロスに運ばれる死せる詩人》

1890年頃

こちらは 水彩・グワッシュ 33.5×24.5センチというのはB4位の小品

《ケンタウロスに運ばれる死せる詩人》byモロー
死せる詩人の足が何か偶蹄目に見えるのでその部分を・・ 自分をパンになぞらえたというが、どうなのか
花は「神秘の花」であるか、普通にモウズイカ的植物のようにも見える

「 ケンタウロスは、獣性や人間の物質的な側面を象徴していると言える。ただしこの作品において首を垂れて詩人を運ぶケンタウロスは精神的なものへの憧れや共感や持った存在とみなすことができる」(上記カタログp151 by江上ゆか?)

カタログに、モローの死後間もない1900年、アリ・ルナンRenant?はこの作品についてこう述べている」とあるのだが、(Expo. Morean, 1999 p234)

「いったいどれだけの人が、孤独の谷間の底に、弔いの儀式もなく消えてゆくのだろうか。確かに、時には慈悲深いケンタウロスが、その単純な心で、人間の愚かしさに思いを巡らしつつ、犠牲者を集めて回る。しかし忘却はよどんだ水のように、その大部分を飲み込んでしまう。」

「ギリシア神話に登場する牧神パンは、上半身が有角の人間で下半身が山羊の生き物だが、その名前が、「全て、全宇宙」を意味するギリシア語の「パン」と同じ発音であるために、哲学者たちによって全自然の神とみなされた。

「半獣神パンは、肉体という野生から超脱して美を求めようとする詩人たち、モロー自身の象徴」(上記カタログp228 by木島俊介?)

WEB上にもう一枚、モローの絵画があったが
https://twitter.com/gustave_moreau/status/524428286458224640・・不明

ケンタウロスたちは葡萄酒を飲むのは初めてで、水で薄めて飲むこともしなかったため、宴席でしたたかに酔って騒ぎ出した。花嫁のヒッポダメイアが挨拶に来ると、エウリュティオーンまたはエウリュトスというケンタウロスがヒッポダメイアをさらって犯そうとした。他のケンタウロスたちも次々に近くの女たちに襲いかかった。ペイリトオスはテーセウスとともにケンタウロスたちを追いかけてエウリュティオーンを殺し、ヒッポダメイアを救い出した。さらにテーセウスは逃げるケンタウロスを追撃して殺した。http://ja.wikipedia.org/wiki/ペイリトオス

■ケンタウロスの神話 モローのケンタウロス⇒centaurus2.html
■ケンタウロスの図像(アーサー・H・コリンズ「英国教会に現された動物と鳥のシンボリズム」)⇒centaurus1.html
■ ケンタウロスの図像(ルクレール・マルクス) ⇒J-L-Marx.html
■ケンタウロのケイローン(名を持つケンタウロス)⇒chiron.html
■The sagittarius(いて座,人馬宮) , or centaur, with bow and arrow, is one of the signs of the Zodiac. ⇒sagittarius.html
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獣頭人身の生物はなじみ深いのだが、人頭獣身の生物はまだよく見ていないので、また後ほど・・⇒関連・・オリエントの蝎人間

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