唐草図鑑

西洋の芸術(中世)


 

グロピナGropinaのサンピエトロ教区聖堂 の 説教壇

Pieve di San Pietro a Gropina

ローロ・チュッフェンナ (Loro Ciuffenna)
グロピナGropinaのサンピエトロ教区聖堂  説教壇
「ソロモンの神殿の柱」(ソロモンの結び目)「875年の銘あり 』(by尾形)

Gropina pulpito.jpg
"Gropina pulpito"

説教壇https://it.wikipedia.org/wiki/Pulpito
大変ユニークで興味深い説教壇ですね・・


説教壇の浅浮彫

(尾形希和子「教会の怪物たち」p138)二股の尾を両手で掲げ持つセイレーンの上に、ほとんど同様のポーズをとる男性が浮き彫りにされている。
男性像は魂の危険にさらされるキリスト教徒を表し、セイレーンは人間(=男)を脅かし危険に陥れる「罪」や「悪徳」の寓意であると解釈されている

(p135)セイレーンのような代表的な女性の怪物や古代の大地母神の図像は、修道士たちの女嫌い(ミソジニ-)によって、美しい容貌を失い恐ろしい怪物的な形相・様相を帯びるようになった。

カミール:「中世の周縁美術において女性は明らかに根の深いミソジニ―の犠牲者であり、女たちは圧倒的な男性優位の社会的縮図の中に封印されている。」

人は獅子(フクロウのような顔つきだと思いました)の上に乗り、頭上に鷲がいる。その左の浮彫がセイレーンと蛇にかじられる男なのだが、右のぐるぐる、渦巻き模様にも注目したい。
it. Wikipediaによれば、「真の神聖な百科事典」とある。

ミソジニ―という話だったが、ここではあまり感じ取れなかった・・。脚が同じ形であるし。

説教壇の柱頭

柱の重みを耐えているテラモン(アトラス)風
モモ先生曰く、「デベソでバンザイ」(『イタリア古寺巡礼 フィレンツェ→アッシジ』p26)「12使徒」との説もあるが不明、とのこと

蛇にかじられる男と人魚の大股開き。解釈不能だが凄い。(金沢百枝『イタリア古寺巡礼 フィレンツェ→アッシジ』p26)アルノ川の上流(p28)最上流のカゼンティーノ地方は三方をアペニン山脈に囲まれた自然の要塞で、11世紀から15世紀まで地方領主グイディ一族の根城であった。
(15世紀にフィレンツェに領地を吸収されてしまった)今ではトスカナでもっとも人口の少ない地域だが、中世は、巡礼や商人が行き来する活気のある場所であった。(消えた城下町ーインカスラメント)
この地域に共通しているのは、木造天井と石の一本柱

(p29)ヴァルダルノ地方のグロビナ教区聖堂の説教壇 12世紀後半
書見台下の彫刻は、サンミニアート・アル・モンテ聖堂と同様に、鷲、人、獅子ですが、この説教壇は、それ以外の部分がたいそう独創的

(p29)支柱な何か柔らかいものでできているかのように、くにゃりと絡まり、出臍を見せた裸んぼが一列に並んで台を支えている。 両手を挙げるのお祈りのポーズ。精霊降誕場面の十二使徒とする説もあるが謎。

蛇に顔をなめられて困り果てた様子の男性と開脚の人魚:誘惑の表現とのこと

「デベソでバンザイ」はよかった(笑)

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c ケルビム
d テトラモルフ
e ペガサス
f ユニコーン


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