唐草図鑑
聖樹聖獣文様

唐草とともにある聖獣

2013年 巳年・・ 「十二支の文字はその文字の表す動物と関係のないものですが、巳の場合だけは別」と、 大漢和辞典の諸橋轍次さんの「十二支物語 」に。
以下、井本英一著十二支動物の話 子丑寅卯辰巳篇を読のその1.「十二支の源流」の続き (その2.巳)
 
 
まずは目次読書を・・・

蛇と人間━再生と不死
死者は蛇になるという信仰
蛇のウロコは魔除けの記号
祖霊としての蛇
チンギス・ハーンと蛇
守護霊としての蛇
毒蛇による王の再生儀礼
しめ縄と綱引きの習俗
蛇と生命感
礎石の下に蛇を封じ込める習俗
蛇と境界石・へそ石
蛇は産婦の守護神
蛇とムカデ━鉄器文化と青銅器文化
太陽信仰と蛇
聖獣・蛇・男根・女陰の複合
虫と蛇

  
ついで主な引用文献

meやはり吉野裕子 『蛇』(法政大学出版局1979)
J・G・フレイザー『金枝篇』は必携
プリニウスの『博物誌』 ヘロドトス『歴史』『聖書』
あと、 宮地伝三郎『十二支動物誌』というものもあるようだ。
東洋文庫の本・・『捜神記』『ペルシア民俗誌』『アラビアンナイト』『今昔物語集』『燕京歳時記』『清俗紀聞』などなど、いや、などなど(~_~;)
J・グリム『ドイツ神話』1876
J・バチラー『アイヌとその民俗』青土社1995
原山煌『モンゴルの神話・伝説』東方書店1995
ムハンマド・アサド『メッカへの道』原書房1983
J・G・アンデルソン『黄土地帯』にはウロコ文様についての話があるようだ

meいや、ものすごい博覧強記(~_~;)
かろうじて以下はじっくりおつきあい
M・エリアーデ『大地・農耕・女性』堀一郎訳未来社
南方熊楠『十二支考』平凡社
木村重信『ヴィーナス以前』中公新書
アポロドーロス『ギリシア神話』岩波文庫1953


 

井本英一さんの蛇に関係する論考に、このほかに「蛇の伝承と女性」(『習俗の始原をたずねて 』法政大学出版局1992年刊)ありとのことで、アマゾンへ 

 

腰巻(まさに赤い)に、比較民族誌の手法で、とある。

死と再生、旅と交易、変身と他界、浄土と聖性などをめぐって古今東西の諸民族の間で展開された多彩な習俗を比較民族誌の手法で対照しつつ、その個別性と普遍性の考察を通じて、祭りと信仰の基本構造を説き、事物の根底に横たわる文化の始原の姿を浮き彫りにする」

感想であるが、 今までフレイザーを読んでも、その膨大な引用、勘弁してよね、的な部分が多かったが、 今回読んでいる井本英一さんって、「比較民族」、まさにフレイザー流です ・・が、以外と今までこのテーマで読んできたので、興味持ってついていける感じなのはヨカッタ(~_~;)

ついでにもう一冊。こちらは人文書院1982刊で、内容が重複する部分も多い。(別仕立て) (以下 続)
『習俗の始原を訪ねて』の中の「蛇の伝承と女性の部分」 の目次読書・・・

死後蛇になって財宝を守る(仏陀の前世譚)
黄金と死の呪いと蛇(北欧神話)
蛇とカワウソの出現(※)
弁財天の死者・白蛇
モーセと青銅の蛇
女性原理として伝わる蛇
毎夜、蛇女と交わる王
蛇石と豊穣性
片目の蛇
観音を信仰した人、蛇の宝をもらう
一夜婚と蛇と無言の契り


※弁財天は元はインドの河神サラスヴァーティ女神。古代イラン語ではハラフワティー=アナーヒター女神。 ゾロアスター教のアナーヒター女神は、カワウソあるいはビーバーの毛皮を身につけていた(カワウソであった) その使いは蛇であったに違いない。弁財天は蛇、アナーヒターはカワウソというのは、二つのうちのどちらかを強調して、独自性を主張する宗教的現象
厳密な一神教に発展してゆく過程には、イスラエルの部族の祖先神としての蛇を崇拝する風習があった。
スペインの聖ドメニコの行列には生きた蛇が釣り下げられる。蛇が神の化身であり、それを殺すことによって神を救済しその再生を図った(イエスは蛇と同じように気にかけられ殺されることによって人を救済した)
人間第1号の男女も蛇、中国のふつきじょか 。ヘラクレスは蛇女と交わった。三つ子を産み、末子スキュティアがスキュティア(イラン系)の始祖となった。
セム族の、アダムとは男と人を意味する言葉で、エヴァとは、本来は「勢威あるもの、蛇」のことであった。
エジプトの女王には「ナイルの蛇」という形容語がつく
イザナギ・イザナミ両神は、風、木、山、野の四神を生んだ。野の神はカヤノ姫(野槌神ノツチ野の精)

諸橋轍次『十二支物語』(蛇)龍虎図

△ PageTop

唐草図鑑ロゴ

獅子紋章風
聖樹聖獣文様
聖獣概観
生命の木
 獅子
唐草目次
文様の根源
文献
用語
サイトマップ
唐草図鑑